平素より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
新元号が発表され、本年は節目の年となりました。平成という時代は襖業界にとって大変厳しい時代でした。平成元年頃、当社のような襖の量産会社は関東地区に13~15社ありましたが、令和元年の今、その数は2~3社にまで減少しました。約5分の1です。襖製造業者が 倒産廃業に追い込まれた主な理由を「和室がなくなったこと」とするならば、畳業界の今の姿をどう説明するのでしょうか。同じ「和室」の中にありながら明暗が分かれてしまいました。襖屋として努力すべき点は多々ありますので、ハリマ産業は今後も襖屋としての挑戦を続けていく所存です。
依然厳しい状況ではありますが、新しい芽がいくつか出てきています。住宅業界がリフォームに傾く中、襖の張替に着目した新規参入業者(フランチャイズ)の動きが目立ってきています。また、「外国人が建てる家」にも注目が集まっています。日本文化ブームの後押しがあるのか一部とても凝った和室をつくる高級志向の人々が増えています。一室あたりの単価が高いので期待しています。
時代の変化を受け容れつつ、和室・襖のある住まいを一軒でも多く残すことに貢献できる会社でありたいと考えております。これまで培ったノウハウを質を落とさず若い社員たちに伝えていくため、そしてお客様にとって使い勝手の良い業者であり続けたいという思いから、さらなる社内業務のデジタル化、社外へ向けての情報発信を強化していく所存であります。
今後とも、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。
ハリマ産業株式会社 代表取締役 大久保 謙一