「和紙調クロス」と「張替フランチャイズ」の台頭

昨今、クロスメーカーの「和紙調クロス」が大人気だ。襖紙の風合いがとても上手く表現されており、一見しただけでは判別できない。クロスならではの機能性も加わり人気を博している。特筆すべきは「デザイン」だ。現代住宅における襖の柄は、無地か、あっても「山水・花鳥」といったシンプルなものが殆どだろう。「和紙調クロス」には色彩豊かで、ファッショナブルなデザインが多い。これは何も奇を衒っているのではない。これもまた襖の持つ本来のイメージに外ならず「伝統的」なのだ。

襖はただの間仕切ではなく、インテリアとしての立ち位置でもあった。襖紙を張り替えることは、クロスを張り替えるが如く、生活空間に新鮮さや楽しさを齎すことだった。「無難」ではない「和紙調クロス」には目を見張るものがある。

外国人たちが期待している「和」は、日本人のそれより派手な傾向にあるが、勘違いしたのではなく、純粋に素敵だと感じたものを「日本の和」だと信じた、というのはどうだろう。

もう一つ注目したいのが、「フランチャイズ」の登場だ。ご存知の方も多いと思う。「張替」を主として営業している。襖業界は縮小方向だが、リフォーム市場となったことで「襖」をチャンスとみる人々もいるということだ。同業者として、協力し合っていけたらと思う。