平成26年8月29日(金)、矢沢化学工業株式会社様による「糊の講義」を弊社にて開催致しました。
襖作りにおいて、「糊」は襖の顔となる紙(和紙)を張るために使う重要なアイテムです。 襖を構成する木と和紙は、環境による影響を強く受ける素材です。
「糊」はそんな素材同士を貼り合せるという重要な役割を担うわけですが、実はこの「糊」も環境による影響を受けるものなのです。 良い襖を作るには、日本ならではのめまぐるしい温度・湿度の変化に柔軟に対応していかなければなりません。
つまるところ、襖作りには糊の理解が不可欠です。 そこで弊社は、「接着技能士」を取得する社員を、社をあげて応援しております。 襖作りにおける重要な工程を「勘」や「経験則」に頼るようでは、「襖を理解している」とは言えません。 ですので、矢沢化学工業様からのご提案は、弊社にとって願ってもないものでした。
使い慣れた糊から新しい糊へと移行するには勇気が必要です。 工場では接着時間を計算に入れて1つの流れを作っています。 糊を変えるということは、この流れまで変えてしまう可能性があります。 しかし、矢沢化学工業様は糊を使う側の事情や心配事をよく理解されていました。 ものづくりをする者同士、その情熱は通ずるところがあると感じるとともに、弊社も伝統産業である「襖作り」をもっと多くの方々に知って頂く努力をしなければならないと思い至りました。
矢沢化学工業株式会社の岡野様、河田様、山下様 この度は有益な講義を有難うございました。 大変勉強になりました。