平素よりハリマ産業をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
今年1月、中小企業基盤整備機構のご支援の下で、ハリマ産業は再びフランスの地を踏むことが叶いました。昨年6月、フランス現地の温度を直接この身で感じ、帰国後は戦略を丸ごと見直しました。当初とは方向性をガラリと変え、新たに準備を行っての再渡仏となりました。本号の後半で少しご報告をさせて頂ければと思います。
ここで、今年2月に永眠された伸和紙工株式会社の倉田政敏会長について触れさせて頂きたいと思います。そもそも、同じ関東で近距離にあるにもかかわらず、伸和紙工様と弊社には長いこと交流がありませんでした。それでも良きライバルとして常に意識するところに倉田会長がいました。
わたしがハリマ産業の2代目社長に就任してまもなく、関東に13社あった襖屋が3~4社にまで激減しました。伸和紙工様とは生き残った会社同士という不思議な温度感で、その頃から少しずつ交流がはじまりました。二人きりでお話しをしてみると、倉田会長は驚くほどに弱い者に優しく、頭脳明晰。先代亡き後のハリマ産業にとっては、とても良い相談相手でした。とはいえ、眼光鋭く、気の抜けない相手として、私はいつも緊張していました。まさにカリスマ経営者でした。
また、倉田会長の功績として特筆すべきは「全国襖工業会」の再興です。当会が目的を見失い、離散しかけた際、皆に声をかけて立て直したのが倉田会長でした。倉田会長は全国襖工業会の会長として尽力され、当会をとても良い方向へ率いてくださいました。倉田会長の意志を引き継ぎ、ハリマ産業はこれからも日々の仕事を大切にしていきたいと思っております。ありがとうございました。
代表取締役 大久保 謙一