悲願の5S - 男たちの戦い -

2021年10月、ハリマ産業は商工組合中央金庫と中小企業基盤整備機構の支援を受け、5Sの専門家である我妻隆吉先生のご指導のもと悲願の「5S」に着手いたしました。文字通り「全社一丸」となって大掃除を行っている真っ只中でございます。5Sに取り組むきっかけになったのは、昨年に行った「原価計算プロジェクト」です。この『ハリマニュース』でも取り上げさせて頂きましたので、ご記憶にある方もいらっしゃるでしょうか。原価を探っていくうちに、ハリマ産業の心臓部である「工場」、そしてその工場に指示を出す「事務所」の「モノと人の関係」に問題があり、それが原価に影響しているということがわかりました。…いえ、誰もがなんとなく知っていました。原価計算を通し、いよいよ目を背けていられない心境になったというのが本音でございます。

さて、「5S」はご存知の通り「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」のそれぞれの頭文字をとって「5S」です。具体的には、整理整頓の原則を学んだ上でモノと人の現実的な配置と動線を検討し、ルール決定するという意味になります。重要なのは、その場限りの大掃除にしてはならないということです。誰もが同レベルで再現できることを前提とし、企業文化にまで落とし込む必要があります。いまのハリマ産業では、誰に言われるでもなく自然と片付けが出来ている人と、ほとんど出来ない人とが同じ工場内で共存しています。ある意味ではとても凄いことのようです。本来なら喧嘩になりそうなものですが、他人のテリトリーに口出しする人はいないようで、平和的に「それぞれ」が「自分なり」に仕事をしております。ただ、これを「良い社風である」とすると、平和ですが、成長は難しくなるということが分かりました。

スタートは主に、モノの要不要のジャッジ、処分を中心とした大掃除に終始。工場に少しずつ余裕が生まれてきたあたりから各人が持ち場ごとの課題を確認。自然と近場、同フロアの関係者へ情報が共有されていきました。また、各工程の動線も明らかとなり、無駄な動きが多い場所などが視認できる形となりました。プロジェクト終了後も特に期間を設けず長く取り組んでいくつもりです。5Sプロジェクト後のハリマ産業を、またどこかでお伝えする機会があればと思っております。